ブラッドローンをご利用の際は、下記の注意点・補足をご確認下さい。
1.贈与税対策
住宅を購入・建築すると、税務署からお尋ねがあります。
不動産取得税や固定資産税を算出するために、不動産の評価を行うことと、建築費・購入費に贈与が無かったか、などを調べられます。
ここで、ブラッドローンを「親からの資金援助ではなく、借金です。」と証明できないと、
贈与と見なされてしまう場合があります。
贈与税は非常に税率が高いので、きちっと書面で照明できるようにしておきましょう。
◇借用証書の作成
金銭消費貸借契約書(きんせんしょうひたいしゃくけいやくしょ)、覚書、念書のいずれかを作成しておきます。
金銭消費貸借契約書は借金に関する契約書、覚書と念書はいろんな用途に使える契約書です。
金銭消費貸借契約書と覚書は2部作成し、債権者(貸す側・この場合は親)と債務者(借りる側・この場合はあなた)の双方が保有します。念書の場合は、一部作成し、債権者が保有するのが一般的です。
借用証書は行政書士や司法書士に依頼するのが一般的ですが、自分で作成しても結構です。
フォーマットを用意しましたので、ダウンロードしてご利用下さい。
いずれの書式を選択しても良いのですが、念書の場合は作成した1部を債権者が保有しますので、税務署のお尋ね時にコピーを提示して、税務署の指示(原本の確認等)を聞いて下さい。
金銭消費貸借契約書や覚書は2部作成し、債務者が一部保有しますので、税務署に原本を提示できます。ただし、契約書には収入印紙が必要で、金銭消費貸借契約書・覚書の場合は、作成部数分の収入印紙が必要です。
印紙代については、下記をご参照下さい。
国税庁WEBサイトより http://www.taxanswer.nta.go.jp/7140.htm
◇通帳の作成
親への返済方法は自由に決めてよいのですが、なるべく銀行振り込みを利用し、
その旨を借用証書に記載して下さい。
そして、あなたが実際に支払っていることを証明する為に、あなたの預金通帳に振込みの実績を記録しておいて下さい。
尚、これらの方法で、贈与ではなく借金であることを証明できるのか、事前に税務署に相談することをおすすめします。
贈与と判断するか否かは、担当者の判断になります。
2.金利・返済方法
金利や返済方法、返済期間などは自由に決めて結構です。
ただし、金利をゼロにした場合、本来かかるべき利息を贈与している、と見なされ、贈与税が発生する場合がありますので、ご注意下さい。
例えば、仮に1,000万円を借りたとして、金利1%なら、年間10万円(以下)の利息が発生します。この10万円(以下)を贈与と見なされるのですが、贈与は年間110万円まで贈与税が非課税ですので、あまり心配する必要はありません。
ただし、住宅の建築時・購入時に資金の贈与を受けている場合は注意が必要です。
住宅の建築時・購入時には、
最大550万円(2005年時点)まで贈与税が発生しませんが、
これは年間110万円の贈与税無税枠を5年分先取りできる、という制度です。
550万円の贈与を受けている場合は、その後5年間に発生する贈与には非課税枠がありませんのでご注意下さい。
*この550万円まで非課税となる贈与税の特例は、2005年12月に終了しました。
通常、民間金融機関の住宅ローンの最低金利程度を選択しておけば、問題視されることはありません。時勢によりますが、2005年なら1%で十分です。
3.住宅ローン控除の対象外
残念ながらブラッドローンは、住宅ローン控除(住宅ローン減税)の対象外となります。
ブラッドローンを先送りする方法も一応紹介しておきます。
例えば、建築時・購入時は民間金融機関で住宅ローンを借りて住宅ローン控除を利用し、
住宅ローン控除期間(10年)が過ぎたら、ブラッドローンに借り換えをする方法です。
ただし、2006年では、住宅ローン控除はローン残高3,000万円までが対象で、以降、年々縮小します。
フラット35をメインに住宅ローンを組んだ場合、不足分はあまり大きな金額にならないでしょうから、住宅ローン控除で還付される所得税も小額になるでしょう。
手続き費用や抵当権設定・抹消費用の方が上回るようでしたら、意味がありません。
また、住宅ローン控除は支払った所得税を超えて還付されることはありません。
例えば、年末にローン残高が3,000万円あった場合、控除率が1%なら、所得税が30万円還付される計算になりますが、実際に収めた所得税が15万円なら、還付される所得税も15万円です。
住宅ローン控除については前述しておりますので、そちらをご参照下さい。
4.一括払い不可
ブラッドローンは債権者である親にとって、受け取りが年金型の金融商品に近いものになります。
ただし、金融機関が扱う商品と違い、途中で一括払いを請求しても(親があなたに、残金の一括返済を請求しても)、あなたの貯蓄にゆとりが無い限り、ほぼ不可能です。
親子と言えど、念のため説明しておくべきでしょう。
5.リスク対策 - A.死亡に対するリスク
万が一、あなたに死亡・高度障害といった不幸が発生した場合、債権者である親にとって、ブラッドローンは不良債権になってしまいます。
念のため説明しておくべきですね。
尚、金融機関の住宅ローンでは、団体信用生命保険によってローン残債が相殺されますが、これと同様に、
加入者:あなた、受取人:親
の生命保険に加入することで、万が一に対するリスクヘッジができます。
当然、その場合は、逓減定期保険にして下さい。
生命保険の解説は、住宅の問題・対策をご参照下さい。
5.リスク対策 - B.死亡・高度障害以外の返済不能に対するリスク
リストラや倒産、収入の減少など、返済が困難になるリスクについても説明しておくべきでしょう。
金融機関は、土地・建物に抵当権を設定し、さらに連帯保証人(または保証協会への加入、フラット35の場合は必要なし)を要求します。
本人が支払い不能になっても、連帯保証人から取り立てたり、土地・建物を売却・競売することで、債権回収にかかります。
親子でブラッドローンを組んだ場合、保証契約や抵当権の設定を行うことは稀でしょうから、あなたが返済不能になると、親も大きなダメージを受けます。
万が一返済が困難になったら、専門家に相談の上、持っている資産をなるべくブラッドローンの返済に充てて下さい。
そのまま持っていると、金融機関への返済に充てることになります。
どうせなら、親に返した方が良いでしょう。その後、自己破産してしまっても、親へのダメージを軽減できれば、教育費等を親に相談することもできるのではないでしょうか。入学金や授業料は、正しく手続きすれば、親が支払っても贈与は発生しません。
もちろん、そのようなことの無いよう、ワナを徹底排除した家計にしておくことは大前提ですね。
6.金銭をめぐるトラブル対策
親族間と言えど、金銭をめぐるトラブルが発生する場合があります。
その代表は相続紛争ですね。
私自身は、相続紛争に立ち会った経験が数回程度しかありませんが、
なまじ肉親ともなると、何十年も蓄積されたストレスが爆発し、相続をきっかけに絶縁してしまうことさえあります。
ブラッドローンでは、そこまで事態が悪化することは無いでしょうが、トラブルを未然に防ぎたいなら、借用証書作成時に、行政書士や司法書士など専門家に相談しておいて下さい。
数万円で契約書作成からアドバイスまで受けることができますので、安心を買うと思えば安いものです。
また、大手ハウスメーカーで建てる場合は、顧問弁護士・司法書士・公認会計士等がいますので、営業担当者に相談して下さい。無料でアドバイスを受けられる場合があります。

以上が主な注意点です。
また、注意点とは別に補足を記述しておきます。
ブラッドローンは、他の金融機関より金利を低く設定できたり、手数料や手続き費用を安くすることができます。
この恩恵はぜひ有効に使って下さい。
1.繰り上げ返済
ブラッドローンで浮いた初期費用や月々の支払いを、繰り上げ返済に回してはいかがでしょうか。
前述の通り、繰り上げ返済は、非常に優れた投資でもあります。恩恵を増幅しましょう。
尚、繰り上げ返済をする場合は、金利の高い住宅ローン、金利変動リスクのある住宅ローンに対して行うのが鉄則です。
2.教育費に回す
浮いた費用を、教育費として積み立ててはいかがでしょうか。
恩恵をあなただけが受けるのではなく、子供の世代まで回すのです。
親にとっては、あなたの住宅購入を支援するばかりでなく、
孫の教育にも支援することになります。
その事をご両親にはもちろん、お子さんにも教えれば、きっとお子さんは祖父母に感謝するでしょう。
家族崩壊が叫ばれる今日、これほど親子孫が喜びを分かち合える行為は、そうザラには無いはずです。
投資家として、これほどすがすがしい投資も無いでしょう。
そして、ブラッドローンなら、一番身近な人たちに、ごく自然に投資をすることができます。
年金に代表される国の制度がおかしくなり、世代間に不公平が発生しています。
これを、一個人で立ち向かうことは極めて困難なのですが、家族が寄り添えば、きっと解決できると思います。

以上でブラッドローンの解説は終了です。
冒頭に述べました通り、ブラッドローンは「親子間の借金」と一言で表現することが出来ます。
しかし、背景から追って考えてみると、「親からの借金」=「情けないイメージ」ではなく、家族が助け合い、暖かい絆を強める行為であるというストーリができました。
ものは考えようなんですね。
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