住宅ローンの基礎知識の次は、具体的な金融機関、住宅ローンの比較です。
世の中には、様々な住宅ローンがあり、その商品数は実に4,800を超えると言われます。
しかし、
選ぶべき住宅ローンは非常に少ないのが現状です。
そこで、様々な住宅ローンをグループに分け、ポイントを解説します。

住宅金融公庫の歴史とこれから
住宅金融公庫は、1940年に設立された政府系金融機関です。
その役割は、国民の住宅購入を促進することと、住環境のレベルを上げることでした。
税金を投入することで低利の固定金利を実現し、公庫の定める基準を満たす住宅には、さらに低金利を適用させるなど、バリアフリーや耐久性、省エネなど高性能住宅を普及させました。
住宅金融公庫の融資は基本的には固定金利ですが、1982年以降、段階金利を採用しています。
段階金利とは、借り入れ期間中に予め決められた金利の変動があるもので、住宅金融公庫の場合、11年目から金利が変わります。
例えば、1〜10年目が2.5%で、11年目以降は3.5%、といった具合です。
金利は変わりますが、予め決められているので、11年目以降の返済額や生涯の支払いも計算することができ、全期間固定金利に似た性質と言えます。
何より、税金の投入のおかげで、低利の固定金利(段階金利)を利用できたことは、住宅を購入・建築する人にとって価値が高く、住宅金融公庫は1990年代後半まで間違いなく、住宅ローンの主役でした。
しかし、小泉政権の構造改革の一環として、住宅金融公庫も民営化の対象となり、また金融の自由化が進み、民間金融機関が次々に住宅ローンの新商品を上市し、住宅金融公庫のシェアは加速的に縮小しました。
そして、2005年7月に公布された独立行政法人住宅金融支援機構法によって、住宅金融公庫は廃止され、2007年4月に独立行政法人が設立される予定となっています。
多くの役員が、旧建設省を中心とする国家公務員の天下りで構成されており、国土交通省は、住宅金融公庫の維持をうったえるよう、経団連や住宅業界に投げ掛けたようですが、聖域なき構造改革の前には無力でした。
そのような役員構成の中、2005年8月に総裁として着任された島田精一氏は、三井物産副社長、日本ユニシスCEOを経て、はじめて民間から抜擢されました。
利権に群がる人々から開放され、さらに価値ある機関になってほしいと願っております。
さて、現在の住宅金融公庫はフラット35という住宅ローンを展開しています。
住宅金融公庫の直接融資は、もはや利用価値はほとんどありませんので、解説は省略しますが、フラット35は非常に優れた住宅ローンですので、次のページ以降、詳しく解説します。
フラット35は、住宅ローンの証券化という方法で誕生しました。
証券化ローンは、
米国では1970年頃に開始されていますが、
日本では、住宅金融公庫の廃止・民営化が決まって、やっと誕生しました。
このような動きを見ると、利権にまみれた機関は、さっさと民営化するのが吉、と思わざるを得ませんね。

補足:住宅金融公庫のゆとり返済について
1993年に、住宅金融公庫はゆとり返済というサービスを開始しました。
これは、通常の段階金利とは別に、当初5年間の返済額を低くし、6年目から返済額を上げるものです。例えば、1〜5年目は、月々10万円 → 6年目〜 月々15万円 といった具合です。
バブル崩壊後に開始したものですが、当時は不況が長引くと考えない人も多く、5年も経てば給料が上がるから、と軽い気持ちでゆとり返済を利用し、5年後に返済額が急増して、住宅ローン地獄に陥る現象が社会問題となりました。
そして、2000年に住宅金融公庫はゆとり返済を廃止しています。
皆さんはどう思いますか?
マスコミも識者もこぞって、このゆとり返済を叩きました。
しかし、ゆとり返済は、6年目に返済額がいくら跳ね上がるのか確定していますし、
予め知らされます。
変な例えですが、例えば道があって、出発点で「500m先に地雷があります」と説明され、500m先に「ここに地雷があります」と看板が立っていて、地雷も露出して丸見え、のようなものです。
で、「地雷なんてジャンプして交わせばいいじゃん。」と軽い気持ちで突入した人が、実はあまりジャンプ力が無く、結果もろに地雷を踏んでしまった、というわけです。
住宅の問題・対策で解説しましたが、ゆとり返済をはるかに凌駕する危険な住宅ローンが
存在し、2003年の調査では、住宅ローンを借りた人の内、80.83%がその住宅ローンを
選択しています。
こちらは、道の出発点に説明はありませんし、地雷は埋まっていて看板もありません。
生命保険についても、同じく住宅の問題・対策で解説しましたが、
こちらは地雷が丸見えのパターンです。
なぜ、ゆとり返済は叩かれて、地雷が隠されている住宅ローンや、
ゆとり返済とまったく同じ性質の生命保険は、ほとんど非難されないのでしょう。
憶測の域を超えませんが、やはり民間金融機関はマスコミのスポンサーだから、
ではないでしょうか。
インターネットが既存のマスメディアに代わる存在だと言うのは、少し軽率な気もしますが、
スポンサーに縛られることなく、自由に意見を述べることができるメリットは大きいものです。
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と言うことで、地雷が隠された住宅ローンを組んでしまった人は、住宅ローンの借り換えで解説しました回避方法をご参照下さい。
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